タペ・サンギ・チャハマック遺跡出土の彩文土器(紀元前6000年頃)

 本資料は、現在のイラン・イスラム共和国の首都テヘランの北東、カスピ海の南東に位置するタペ・サンギ・チャハマック遺跡から出土した彩文土器である。タペ・サンギ・チャハマック遺跡は、東西2つの遺丘(タペ)で構成されており、本大学の前身である東京教育大学イラン先史遺跡調査団により、1971年から4回にわたる本格的な発掘調査が行われている。本遺跡の調査は、イラン北東部における先土器新石器文化の存在を初めて明らかにし、イラン北東部で発生した農耕牧畜文化が中央アジアの初期農耕文化に与えた影響について考えるうえで貴重な資料を提供している。
 東タペの第3層から出土した本資料は、器面全体に赤色の塗彩が施されており、その上に刷毛状の道具により茶褐色の平行線が横位、縦位に施されている。その意匠は籠目を模倣したとも解釈されている。本資料の彩文は、単純に全面に籠目を模して施されたのではなく、器面を一定間隔に区画し、単位文の連続としての文様を描いている。彩文土器の発生した初期の段階に属する本資料は、彩文を施す際に基本となる器面の区画割が既にみられることから、彩文の発生を理解するうえで貴重な資料といえるだろう。                                                 (長谷川)


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